ようやく唇を解放されると、何とかマイケルの呪縛から逃れようとした。
「からかってるんだろ。今なら酒のせいにして忘れてやる」
「俺は本気だ。今付き合ってる女はいないんだろう」
「そういう問題じゃない」
何とかして離れようとするが、強い力で抱きしめられて身動きがとれない。
「お前のことは俺が一番よくわかってる。曲のレパートリーも、演奏のクセも、何から何まで」
マイケルは着ていたシャツをまくり上げ、素肌に手を這わせてきた。
(こんな彼を、僕は知らない…)
「離せ、こんなのは嫌だ!」
無理矢理マイケルを突き飛ばすと僕はベッドルームに逃げ込み、鍵をかけて閉じこもった。
「お前はリビングのカウチで寝ろ!」
そう叫ぶとベッドに潜り込むと、涙がこぼれてきた。
(自分の知っている友達のマイケルは、あんな男じゃない)
翌朝恐る恐るリビングの様子をうかがうと、マイケルは帰った様子だった。
クリスマスコンサートまで今日を含めてあと2日だ。教会に練習に行かないといけない。
昨日一晩泣いたせいで軽く頭痛がしたが、オルガンシューズと楽譜を持って僕は教会へ車を走らせた。
オルガンの前に座っても、昨日のマイケルのことが心にひっかかり演奏に集中できない。
「今日はどうした。演奏に落ち着きが感じられない」
追い討ちをかけるように、たまたま教会に居合わせたマークにダメ出しを食らう始末だった。
「やあアーサー、早いんだな」
クリスがこちらに向かって歩いてきた。一晩頭を冷やして、昨日はさすがに彼に言い過ぎたと反省していた。マークにとっては大事な人だし、謝っておいたほうがいいだろう。それに、外の空気を吸って気分転換をしたかった。
「マーク、ちょっとクリスを貸してくれないか。話がしたい」
「構わない。私は久しぶりにここのオルガンを弾かせてもらおう」
しばらくすると聖堂から懐かしい音色が聞こえてきた。マークのことはよく知っているつもりだったのに、自分とは違うところに行ってしまった気がして寂しかった。
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「からかってるんだろ。今なら酒のせいにして忘れてやる」
「俺は本気だ。今付き合ってる女はいないんだろう」
「そういう問題じゃない」
何とかして離れようとするが、強い力で抱きしめられて身動きがとれない。
「お前のことは俺が一番よくわかってる。曲のレパートリーも、演奏のクセも、何から何まで」
マイケルは着ていたシャツをまくり上げ、素肌に手を這わせてきた。
(こんな彼を、僕は知らない…)
「離せ、こんなのは嫌だ!」
無理矢理マイケルを突き飛ばすと僕はベッドルームに逃げ込み、鍵をかけて閉じこもった。
「お前はリビングのカウチで寝ろ!」
そう叫ぶとベッドに潜り込むと、涙がこぼれてきた。
(自分の知っている友達のマイケルは、あんな男じゃない)
翌朝恐る恐るリビングの様子をうかがうと、マイケルは帰った様子だった。
クリスマスコンサートまで今日を含めてあと2日だ。教会に練習に行かないといけない。
昨日一晩泣いたせいで軽く頭痛がしたが、オルガンシューズと楽譜を持って僕は教会へ車を走らせた。
オルガンの前に座っても、昨日のマイケルのことが心にひっかかり演奏に集中できない。
「今日はどうした。演奏に落ち着きが感じられない」
追い討ちをかけるように、たまたま教会に居合わせたマークにダメ出しを食らう始末だった。
「やあアーサー、早いんだな」
クリスがこちらに向かって歩いてきた。一晩頭を冷やして、昨日はさすがに彼に言い過ぎたと反省していた。マークにとっては大事な人だし、謝っておいたほうがいいだろう。それに、外の空気を吸って気分転換をしたかった。
「マーク、ちょっとクリスを貸してくれないか。話がしたい」
「構わない。私は久しぶりにここのオルガンを弾かせてもらおう」
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